調○彼女
「…ほら、元気が無いときは甘い物!ご飯前だけど、一個あげるよ。これね、学校の近くのコンビニにしかないレアモノなんだよ」

差し出されたのは先輩が好きなグミ…

グレープ味!!

私は溢れてくる涙を、押さえることが出来なくなり、声を漏らしながらしゃがみ込んだ

「え!?ちょっ…妃芽??」

思い出が…思い出が深すぎるよ!先輩…

何も知らなきゃよかった…あの日にあんな事をしなければ、出会う事もなく、知らないままで済んだのに!!

先輩が付けた跡は、深くて痛い…

痛いよ…

「…凜、私…」

「…好きな人ができたの…でもその人には、違う好きな人がいた…」

「妃芽…」

「私、たまたま見ちゃったの…ヒカリ先輩が告白されてるところ…その時に聞いちゃったの…好きな人の存在を。ショックだった…
私いつの間にか先輩が好きだったのに、すぐに失恋しちゃったよ…」

「うん、」

「いつか忘れられる日がくるの…?私は他の人を好きになれるの?」

凜は心配そうに私を見て、小さく首を降った

「…無理…だよ」
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