調○彼女
放課後私はひたすら走った


雨に濡れながら温室まで

きっと居る。先輩はいつも温室に居たから…もしかして、好きな人との思い出の場所かもしれない…



少しだけ温かい建物に入り、いつもの扉を開けた。

髪の毛から雫をたらし、静かに座っていた先輩がゆっくりこっちを向いた

先輩は驚いた顔をしている…

先輩…

ここは思い出が詰まりすぎてる…

私はまた泣きそうになってしまった…

思い出しちゃうよ…楽しかった事、嬉しかった事、全部全部辛過ぎる…

私は身代わりだったんだから…



でも、最初が全部先輩で良かった……



大好きな先輩で

よかったよ…





「ヒメちゃん?」

「…先輩」

私は先輩に少しずつ近づいて真っ正面まで歩いた

「ヒメちゃん…」

先輩…

そんな顔しないで…私も先輩の笑った顔が大好きだよ…

先輩は輝くオーラが全くなかった…
顔色まで悪い…

私の事、それくらい気にかけてくれたんだろうか…

だったらいいな…

「先輩…お話があります」

声が震えた…

堪えなきゃ!最後まで…

「私に嫌いだって言ってください…」
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