調○彼女
………………返す?

だってこれ、先輩の好きな人のハンカチ……

返す?



「やっぱり…伝わってない!何で俺が今この話したのかも、全く意味無いじゃん!どうしたら思い出してくれるのかな…」

…わ、私?私のハンカチ?私の?

ダメだ、パニックだ!

「だ、だって先輩…好きな人は中一からで、奇麗な人で…」

「…だから、落ち着けって、ヒメ『勘違い』だよ…」

か、勘違いって…そんな、バカな…

「確かにあの時俺は、三年くらい前からって言ったけど、しっかり三年前じゃなくて、もう少しで三年になるからそう言った。」

「入学式とかですか!?」

「もっと前だよ〜。ホントに忘れてるんだね、俺の事…悲しくなってきた…
入学式より前にこの学校に来たでしょ?」

…入学式より前にここに来た事?学校、先輩、ハンカチ…

…あ!!!!!!


私は霧が晴れるように全て思い出した!!

そうだ、私は先輩に会っていた!

会っていた…

「ようやく思い出した!?県外受験、受験番号7039、結城妃芽さん」

「よ、よく覚えてますね、先輩さん…」

先輩は私の言葉に、今まで見た事無いくらい幸せそうに笑った!
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