調○彼女
先輩さんって…新鮮…

そう思って顔を上げたときだった

鼻血がツーッと垂れた…

俺は目眩までして一瞬何があったかわからなくなった

そんな俺の鼻血をさっと手で受け止め、片方の手でハンカチを出し俺の鼻に当ててくれる

具合が悪いのに、正直感動した

俺より小さな女の子が、他人の鼻血を嫌がらずに面倒見てくれるなんて…

(…喧嘩でよく見慣れてただけなんだけどな…)

「先輩さん、歩けますか?保健室に行きましょう…」

「いや、大丈夫だから!君受験生だし、」

「今更ジタバタしても仕方ありません。それに先輩さんを無事に保健室に送らないと、気になって集中できませんよ?」

「はぁ…」

俺は彼女に従い、二人で保健室まで歩いた。

下を向いてないと鼻血が喉に下りてくるので、俺は彼女の顔をまだちゃんと見てなかった

どんな顔かな…真面目そうな感じ…眼鏡かけてて、髪はきつく縛ってて…

俺はそんな事を考えていたけど、彼女の手元の受験票は暗記するほど見ていた

地元はピンクなのに対し、県外受験票は黄色。 番号は7039…なんとサンキューか…今の俺の気持ちだな…結城妃芽…勇気あるお姫様だ…
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