調○彼女
保健室につく頃鼻血は止まっていた

先生が顔を冷やしてくれたりしていた

俺は恥ずかしかった…

可愛い可愛いって言われて、一応アイドルなのに鼻血なんて…

「ハンカチ、洗えば血は落ちるけど、今はすぐ返せないかも…」

「いいんです、気にしなくても…」

先生と彼女が話している

お礼!彼女にちゃんと言わないと…!

そう思って立ち上がった時、彼女は小さな袋を差し出してくれた。

俺は初めて彼女の顔を見た

全て大きなパーツが、上品に収まっている小さな意志の強そうな顔…

もっと早く見てれば良かった…

彼女は笑って手に袋を乗せた
それは…封の開いていないグレープ味のグミ…

「元気がないときは甘いものですよ。無理はなさらないでくださいね…」

彼女は颯爽と保健室を出て行った

「待って!ハンカチは!?」

「私が受かったら返してください。でも、落ちたら…縁が無かったんです!捨ててください」

彼女の笑顔が、潔さが、俺の心をわしづかみにした

一目惚れだった…
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