ふわふわ少女の裏事情
誰かに肩を揺すられる。
「・・・ん、」
重たいまぶたを擦って目を開けると目の前に吉岡千瀬がいた。
「おはよ。」
「おはよーじゃないでしょ。」
吉岡千瀬はおれに冷たい視線を浴びせる。
なんか何気に傷付くんだけど。
ていうか、おはようじゃないって・・・
「・・・?」
「今は放課後。」
キョトンとして辺りを見渡す。
教室にはおれと吉岡千瀬の2人しかいない。
まさか今までずっと爆睡してたってこと?
吉岡千瀬が起こしてくれなかったらずっと・・・。
一応お礼は言っておこう。
「起こしてくれてありがとう、吉岡さん。」
「別に。てゆーか、千瀬でいい。あんたに"さん"付けで呼ばれるの気持ち悪い。」
気持ち悪いってひどすぎ。
そういえば、吉岡千瀬としゃべるのは始めかもしれない。
となりの席だけど今まで特に話すようなこともなかったし。
そもそも、吉岡ってこんな性格だったけ?
いつもはにこにこ笑ってて、ふわふわした性格だったような。
まあ、いいや。
ん?千瀬はなんで教室に残ってるんだ?
もしかして・・・
「千瀬も居眠りしてたの?」
そう言うと千瀬は呆れたようにため息をつく。