3度目の結婚
side TAKASI

ひなたを実家の両親に紹介して、毎日『今度、いつ連れて来て
 くれるの、今度一緒に買い物に行きたいんだけど』『隆、いつ
 ひなたちゃん、連れて来るんだ?また一緒にご飯が
 食べたいんだが・・・。』と、親父達にひなた・ひなたって
催促される。

親父達は、可愛い娘が出来たと大喜び。70過ぎの両親に、本当は
一日も早く、『孫の顔』を見せてあげられれば良いのだろうが
こればっかりは、天に任せるしかない。

姉貴の事もあるから、両親は、『孫』という言葉は、禁句に
している。

ひなたの仕事の問題もあるし、まだひなたの実家への挨拶も
していないから、まずはそこからだな。

8月の14・15日の二日間、ひなたと都合をつけて、新潟へ
足を運ぶことにしている。

俺は、医院が14・15・16日と休みだが、ひなたは14日が水曜日
なので、もう一日15日も休みをもらい、二人で行くことに
なっている。

ひなたの実家は、すでにお父さんが他界しており、
お母さんと弟さん夫婦に甥っ子が二人いるそうだ。

ひなたのお母さんは、もともと農家の出らしく、定年後
家の近くで、畑を始め、お母さんの兄弟や近所の人達を
挙って畑をしているらしく、常に新鮮野菜が手に入り
それを毎週のように、ひなたに送って来てくれる。

野菜のほかにも、果物・お母さん手作りの惣菜・地元限定の
お菓子等々、さまざまなも物を送って来てくれる。

本当にありがたい。ひなたは、『そのお陰で生活出来た』
と言っていたが、本当だと思う。

今も、旬の野菜は、ほとんど買わなくていいし、買うのは
肉と魚くらいだ。

ひなたがどれだけ大切に、育てられてきたか分かる。
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