3度目の結婚
残された三人で待っていると

「あんた、ひなたの彼氏なのか?」

「彼氏というよりは、婚約者だな!」

「えっ、結婚するのか?」

「あぁー、そのつもりだ。」

「あんたも、騙されているんじゃないか?」

「ちょ・ちょっと博之、いい加減にしなよ。
 離婚の原因は、当人同士の問題だし、ひなただけが
 悪いんじゃないんだよ!」

「どうして、そんな事が言える?」

「私、知っていたの。ひなた達の離婚の原因。
 ひなた、離婚するちょっと前、過労で入院していたの」

「何で、そんな事知ってる<`~´>」

「お見舞いに行った時、偶然、ひなたとおばさんが話して
 いるのを聞いてしまって・・・。ひなたは、『私はこの町
 から出るから、何言われてもいいの。でも晃さんは、この町
 に残るし、これ以上お義母さんを苦しめたくないから、お願い
 だから、裕子の胸の中にしまって。博之さんにも絶対に言わ
 ないで!』って口止めされたのよ。」

「そんな・・・・。」

「ひなたは、博之が、晃さんを大切にしているの知って
 いるからこそ、離婚原因を知られたくなかったのよ!」

「・・・・・・・・・・。」

「そうだな、ひなたはそういう子だよ。だいいち今の
 あの二人の様子を見るだけでも、本当の事が分かる
 と思うけど。」

そう言って、3人してひなた達の様子を見ていると、
元旦那が、頭を下げ、何か言っている。

次の瞬間、二人で握手しているのが見えた。

「これで分かるだろ。感情を持ちすぎると、人は
 真実が見えなくなるんだよ。」

「・・・・・・・・・・・。」
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