3度目の結婚
私の両親は、私達に、『医者になって』とは言わなかった。

でも心の中では、二人で跡を継いで欲しかったんだと思う。

若い頃は、両親の思いに気付けず、好きな道に進み、自分の
事だけしか考えてこなかった。

そのてん隆は、医者になりたいと、一生懸命勉強し、国立大の
医学部にストレートで入学をはたし、今では腕の良い医者だ。

私の結婚の時も、両親は、喜んでくれて、その時は、いつか
孫を、両親にプレゼントし、親孝行するつもりだったのに・・・・

私が流産した時、二人共、私に隠れて泣いていたのを知っている。

その姿を見た時、なんて親不孝なことをしたんだと・・・
後悔してもしきれなかった。

だから、私が果たせなかった二人の夢を、隆から与えてもらいたかった

でも隆は、最初綾さんを私に紹介した時、私は、反対した。

綾さんは、綺麗で、頭も切れる。同じ医者で、仕事の理解も
あると思ったが、隆の本来の姿を、綾さんには見せていないのを
すぐに感じ取った。

『上手くいかないこの二人』それが第一印象だった。

それに隆の趣味ではないのだ、綾さんは。
 
海藤家は、全員趣味が似ていて、可愛いものが大好き

特に癒し系のものは、小さい頃から私たちは大好きで
人の好みも似ていた。

隆は、私から見てもいい男で、昔からモテた。

それが災いしたのか、いつも隣に置く女は、美人でプライドの
高い女ばかりだった。

隆自身が、相手を好きになって付き合うことは1度もなく
常に女性からのアプローチで付き合っていた。

そんな状態だから、いつも女性の方に不満がたまり
付き合っては別れ、また別な女性と付き合っては別れの
繰り返しだった。

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