3度目の結婚
翌朝、とても晴れて、青空が広がっていた。

予定通りの時間に、美容室に入り、支度をした。

支度を終えた頃、『コンコン』、「はい、どうぞ」

幸恵さんと海藤の両親に、実家の母が入ってきた。

「うわぁー、ひなたちゃん、綺麗よー・・ねぇーお父さん」

「あぁー、とっても綺麗だよ、ひなたちゃん。隆にはもったいないなぁー」

「フフフッ、今頃、隆、くしゃみしてるわよ、きっと!」

「「ハハハッ」」

「ひなた、綺麗だよ。隆さんといつまでも仲良くするのよ・・・・」

母にそう言われて、思わず涙が零れた・・・。

「ありがとう、母さん・・・。グスン・・・・・」

「ほらほら、ひなた泣かないの。あなたが泣けば、お母さんだって
 泣いてしまうでしょ!それにお化粧も崩れるわよ。ほら、拭いて」

「グスン、ありがとう、幸恵さん・・・グスン」

『そろそろ、お時間です』 式場の関係者の方が呼びにきた。

美容師さんが、素早く、涙で崩れた化粧を直してくれている間に

「じゃー、教会で・・・・」

「はい」

皆が出て行ったあと、教会の扉の前で、弟の正が待っていた。

「正、今まで本当にありがとう・・・母さんの事、よろしくね」

「おぉー、姉貴も、今までの分も含めて、幸せになれよ・・・」

正と言葉を交わして、二人で、教会の中へと足を進めた。
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