3度目の結婚
二人は、綾に連れられて、NICUに運ばれた。

「次、胎盤を出すぞ・・・・」

「海藤君、出血が多いわ・・・・」

「どんどん、輸血してくれ・・・たのむ、ひなた、頑張ってくれ・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「先生、バイタルが・・・・・下がって来てます・・」

「くそっ、ひなた、がんばれ」

「海藤君・・・・・」

とにかく、俺は、必死で、手術をした。

◇◇◇◇◇◇◇

ようやく、手術は、終わった。

どうにか、ひなたも持ちこたえてくれたが

まだ、容体が安定しないので、集中治療室へ運んだ。

この時ほど、神に、祈ったことはなかった。

「頼むから、頼むから、ひなたを、連れて行かないでくれ」

と心の中で、俺は叫んだ。
< 155 / 209 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop