3度目の結婚
手術室を出ると、親父達や姉貴が待っていた。

「隆、ひなたちゃんは、どんなだ?」

「とりあえず、一命は取り止めたが、予断は禁物だ。」

「大丈夫だよね! 隆、あんた医者でしょ。何とか言いなさいよ!」

「幸恵、隆だって、やるだけやったんだ。あとは、
 ひなたちゃんの、生命力に賭けるだけだ」

「そうよ、幸恵、ひなたちゃんが、早く元気に回復
 出来るように、私たちは、祈ることしか出来ないのよ」

「・・・・・・・。」

「俺、子供たちの様子を見てくる。あっちも、まだ
 詳しく聞いてないんだ・・・。」

「そうか、分かった。俺達は、面会所にいるから、
 様子を後で聞かせてくれ。」

「わかった・・。」

俺は、小児科のNICUに行った。

「綾、子供たちの様子は、どんなだ?」

「二人とも、ギリギリ2000あったし、今のところ落ち着いて
 いるわ。
 たぶん、小さいだけで、心配はないと思うけど・・・。
 暫くは、保育器に入ってもらうわ。
 点滴もあるし、この分だと、黄疸も出るだろうから・・・」

「そうか、わかった。 悪いが、頼むよ・・・。」

「隆・・・・。」

「・・・・・・・・。」

「あんた、父親になったんだから、そんな辛気臭い顔してんじゃ
 ないわよ! しっかりしなさい!」

バシッ

「いってぇー、何すんだよ! 」

「あんたが、しっかりしないで、誰が、ひなたさんと子供達を
 守るのよ!」

「そうだな、ありがとう 綾」
< 156 / 209 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop