3度目の結婚
「ひなたさん、具合はいかが?」

「はい、だいぶ良いんですが、まだ起き上がるときに眩暈が
 して・・・・。」

「そうね、貧血がまだあるから、午後から造血剤を注射しましょ。
 あと、午後から母乳の出を良くするために、マッサージを
 するからね。本当は、赤ちゃんから吸ってもらうのが一番
 良いんだけど、まだ無理みたいだから、今はマッサージで
 頑張りましょう。」

「はい」

「食事も、しっかり食べてね。それも大切だから。」

「はい」

「海藤君、この様子だと、あと10日ほどで、退院できると
 思うけど・・・。」

「そうだな。傷の具合も大丈夫そうだし、貧血は、病院に
 いる間、造血剤を注射すれば、だいぶ良くなるだろう。
 退院時に、まだ貧血があるようなら、鉄剤で行けるだろう」

「そうね。でも、ひなたさんが退院しても、子供達は一緒には
 退院できないと思うから、退院しても毎日通ってもらいたい
 んだけど、いいかしら?」

「あー俺が連れて来るから、大丈夫だ。」

「よかった。出来るだけ、毎日会いに来てもらいたいのよ。
 子供たちは、ある程度大きくならないと退院させられないから。
 どうしても低体重児や未熟児は、お母さんと一緒に退院
 出来ないのよ。でも、子供達が、保育器から出れるように
 なると、授乳も出来るし、沐浴も看護師と一緒にさせて
 あげられるから、出来るだけ、沐浴の時間に合わせて
 来てもらえる?」

「わかった。ひなたが退院するまでには、子供達も保育器
 から出れるだろ。そしたら、時間の予定がたつな」

「そうね。詳しいことは、また退院するときにしましょ。
 今は、とにかくひなたさんの体力を回復させることが
 一番よ。じゃー、また何かあったら言って。」

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