3度目の結婚
「こんばんわ」

「今日も、お見舞いなの?」

「えっえー、そうなの・・・・。」

「もしかして、お父さんかお母さんか?」

「いいえ、義妹よ。隆の奥さんでもあり、私の大切な友人よ」

これ以上、隼人と交流を持ちたくなかったが、仕方ない。

「毎日見舞いに来るほど、具合、悪いのか?」

「んっー、手術して2日経つけど、目を覚まさないのよ・・。」

「手術?」

「あー、手術といっても、出産したのよ。ただ、危険な状態に
 陥ってしまって・・・・。まだ目を覚まさないのよ・・・・。」

「そうか・・・。悪かったな、変な事聞いて・・・・。」

「ううん、良いのよ。それより、お母さん、具合、いかが?」

「あー、年も年だしな。あと、一月位だろうって・・・・。」

「そんなに悪いんだ・・・・。」

「なぁー、頼みがあるんだが・・・。」

「なに・・?」

「お袋に、会ってもれえないか?」

「えっ、なんで・・・?」

「実は、お袋、俺たちの離婚、とっても悔やんでいたんだ。
 いつも、幸恵さんに申し訳なかった・・・って。
 あの当時、お袋は、親父の言いなりで、親父がどうしても
 血を受け継ぐ子供が欲しい!って・・・。今さら、血なんて
 って思っても、親父にとっては、工藤の家が大事で、その結果
 幸恵を悲しませることになった。お袋は、親父のやり方に
 最初は、反対しなかったんだが、樹の母親が、樹を置いて
 出て行った時、自分達のやって来たことの無意味さ
 を知って、いつか、許されるなら幸恵さんに、一目会って
 謝りたい!ってずっと気にしていたんだ・・・。」

< 180 / 209 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop