3度目の結婚
それから、ひなたは、無事に目を覚まし、
一方、工藤の母は、長い永眠についた。

工藤の母は、隼人に最後の言葉として

「幸恵さんに会えて、良かった」と言っていたそうだ。

それからは、以外にも、お互いのマンションが近かったのと
樹君が、私になついていたので、何かと休みの日は一緒に
居るようになったのだ。

もともと隼人の実家は、名家で、お父さんが生きていた時は
生まれた実家に住んでいたらしいが、お父さんが亡くなって
からは、お母さんは、樹君の事を考えて、少しでも良い幼稚園
良い学校が近い所へ引っ越そうと、提案し、今のマンションに
引っ越して来たそうだ。

工藤の実家は、亡くなったお父さんの弟家族が、今は工藤の家
を守ってくれている。

弟さんは、奥さんと二人きりで、子供がいない。

それもあって、工藤の父は、工藤の血に拘ったのだと思う。

「ねぇー、幸さん」

「なに、樹」

「親父と結婚しないの?」

「へぇ!?・・・・なんで急に・・・」

「俺の事なら、大丈夫だよ。心配しないで良いよ。
 そろそろ、親父を幸せにしてやんないと、年だけ取って
 死んじゃうよ! 出来たら、その前に結婚して、親父を 
 幸せにして!」

「・・・・・・。」

この親子と付き合い始めて、3年目の出来事だった。
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