3度目の結婚
「なに、玄関先で親子喧嘩しているのよ! 近所迷惑でしょ!
 早く、蓮も凛も上がりなさい。!」


「「はい、お邪魔します」」

「蓮、これ、ひなたちゃんに渡して」

「はい」

母さんは、幸さんから化粧品を買っている。

普段、親父の医院の手伝いをしているから、思うより時間が
取れない。

もっとも親父も親父で、時間が出来ると、すぐに母さんに
くっ付いている・・・。

いい年して・・・と思うが、まー仲が良いに越したことはない!

「ところで、蓮、凛、進路は決まったのか?」

「うん、二人とも、目指せ医学部かな!?」

「そうか・・・。二人ともうちの大学に来たらどうだ?」

「樹君のとこ、めちゃめちゃ偏差値高いし・・・・。
 俺、今のままだと、ギリギリだな! 凛は? お前この間
 の模試、良かったんだろう?」

「うん、頑張ったよ!樹君のとこ、合格ラインに乗った!」

「えっ、すごっ! 俺、おちおちしてらんないなぁー」

「そうだな、蓮、頑張れ!」

「でも、正直、俺、医者じゃない事もしてみたいんだよな・・・」

「えっ、蓮、そうなの?」

「うん、小さい時から親父や爺ちゃんの事を見てきて、自分には
 向かないような気がしているんだ・・・・・。」

「まだ、本格的に大学決めるまでには時間もあるし、蓮が
 何がしたいかを考えて、それから大学決めてもいいんじゃ
 ないか?」

「樹君・・・・。」

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