3度目の結婚
「そうよ、蓮。なんなら、あなた私たちの会社、継がない?
 ねぇー隼人!」

「そうだな、蓮、家の会社、どうせ樹は、医者になってしまったから
 会社は継がないし、凛ちゃんは、医者、目指しているんだろ?
 連は、別に無理して医者にならなくても、お父さん達は、何も言わない
 と思うよ。『お前たちの人生なんだから、自分の人生を生きろ!』
 って言うよ!」

「確かに、隆叔父さんや、叔母さんなら、そう言うと思うよ、俺も」

「蓮、私は、医者になるのが夢だから、医者になるための大学に
 行きたいの。でも蓮が、悩んでいるんなら、もう少し考えて
 大学選んだ方がいいよ!」

「そうだな・・・・。もう少し考えてみるよ・・・・。」

「そうしなよ!私は、一緒の大学に行ければ、嬉しいけどね!」

その日は、俺の進路の話で盛り上がり、結局幸さんのご飯を
ごちそうになって、二人で帰った。

◇◇◇◇◇

「親父・・・。ちょっといいか?」

「どうした、蓮?」

「うん、ちょっと、進路で・・・・。」

「ん、なんだ?」

「俺、医者にならなくても、いいかな・・・・?」

「別に、構わないぞ。お前の人生だ。お前のやりたい事が
 あるなら、そっちに行っていいぞ!別に父さんが、この医院
 を継いだからって、お前や凛に継いでほしいなんて考えていない!
 子供は、親の私有物じゃない!俺達は、たまたまお前たちに恵まれた。
 でも、俺達の物ではない。『子供を育てる、権利が与えられた』
 だけにすぎない。子供を持った以上、子供を社会に出してやる
 社会に貢献できるように子供を導いてやる、それが俺達の役目だと
 思っている。『子供は、社会からの預かり物だ』そう思って
 俺もひなたもお前達を育ててきた。だから、蓮がこれから先、
 どういう職業について、社会に貢献していくのか、また自立していくのか
 そろそろ真剣に考える時期なんだと思うぞ!」

「ありがとう、親父」
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