3度目の結婚
樹君のマンションは、床が見えないほど物が散乱していた。

「はぁー、どうしたらこんなになるの?」

「仕方ないだろ。仕事が忙しいと、疲れてやる気にならない。」

「今度は、私が出来る時はするから・・・。」

「んー、凛、ありがとう。お願いするね。ついでに泊まっていって
 くれると嬉しいんだが。チュ」

「樹君、今は掃除でしょ!」

真っ赤な顔をさせながら、樹君に抗議した。

「そういえば凛、やっぱりうちの大学来るの?」

「うん。一様希望はしてる。どうかしたの?」

「うー、そうか。そうすると、結婚は、あと6年も待たなきゃダメか」

「えっ、結婚!?」

「うん、結婚。今さら嫌だなんて言わせないよ!なんなら、高校
 卒業と同時に結婚して、それで大学通ってもいいけどな!
 一応、家族会議にかけるか。」

そう言いながら、樹君は何か思案していた。

二人で、掃除も終わり、近くのスーパーで食材を買ってきて
私がご飯を作った。

こう見えても、母さんからの直伝で、なかなか料理は好きだ。

樹君も、美味しいって食べてくれた。

今日は、長年の思いが通じ、樹君と両想いになれた。

正直、樹君のセフレ発言は、ショックだったが、これから先
私だけを抱いてくれるのなら、許すとしよう!

「本当は、すぐにでも凛が欲しいけど、今日は我慢する。
 もうすぐ、誕生日だろ!その時、お祝いしような!
 楽しみにしてな!」

「うん、楽しみにしてる。」

「よし、送っていくぞ」

二人でマンションを後にした。
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