3度目の結婚
「コーヒーでいいですか?」

「ああ、ブラックで」

「はい、座っててください。今淹れますから」

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「どうぞ。」

「ありがとう。 
 ひなた、今度、俺、救急救命医じゃなくなる。」

「えっ」私は、驚いてしまった。

「今の病院を辞めることにしたんだ。
 そして、親父とお袋がしている医院を継ぐことにした。
 もともと10年っていう約束だったんだけど、最近
 親父達も年をとってきて、二人とも70過ぎているしな。
 そろそろと思っていたんだ。
 ここ1か月、そのために忙しくて、ひなたに会いたかった
 けど、時間が取れなかった。」

「そうだったんですか。幸恵さんはなんて言ってるんですか?」

「まだ姉貴には話をしていない。でも姉貴も安心するだろ。
 親父達のことは、心配していたからな。
 早く、医院を継いで、親父達を楽にしてやれって
 結構言われてたから、俺」

「・・・・・。」

「それに、救急にいると、ひなたとの時間も取れないしな」

私の顔の温度が、一気に上がったのがわかった。

「はははっ、ひなた真っ赤!」

「笑わないでくださいよ! 隆さんが恥ずかしいこと
 言うからです」

「俺は、本当のことを言っただけだ」

 
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