3度目の結婚
side HINATA

隆さんが泊まっていった翌朝、
朝ご飯を作って出したら、本当に喜んでくれた。

まるで子供のように無邪気な顔をしていて、
私は、ドキドキしていた。

普段は、大人の顔しか見せないのに、あの笑顔は
反則だわ。

思い出すだけでもドキドキする。

でも、ダメ、絶対に恋はしない。

あくまでもお友達よ!そうよ、頼りになる兄さんよ!

と訳の分からぬことを思いながら、自分の感情に蓋をした。

------------------------------------

隆さんが泊まって行ってから、早2週間が過ぎた。

隆さんの退職が決まってから、引き継ぎもあって
なかなか休みが取れないらしい。

毎晩メールのやり取りはしていたが、たまに電話も
かかってきたけど、声がとっても疲れていて、心配になった。

「声に元気がないけど、大丈夫ですか?」

「あー、ちょっと疲れが溜まっていて、でもひなたの
 声を聴いたから、大丈夫だ。」

「ごはんは、きちんと食べてますか?」

「毎日、コンビニと食堂だな。早くひなたのごはんが
 食べたい。」

「はははっ、いいですよ。隆さんのお休みの日を
 教えてください。火曜日と金曜日以外なら、
 早く帰ってこれるので、平日でも大丈夫ですから
 私の作ったものでよければ、作りますよ。」

「本当か。よし、じゃー連絡する。」
< 54 / 209 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop