3度目の結婚
ご飯を食べ終え、ひなたとまったりしていた時に
俺は、ひなたに聞いてみた。

「ひなた、まだ俺と付け合えないか?」

「・・・・。正直、隆さんの事は、好きなんだと
 思います。ただ、不安もそれ以上にあって、
 また同じことを繰り返したら、私、立ち直れなく
 なると思うんです・・・・・。」

「なぁー、ひなた、好きという気持ちがあるんなら
 飛び込んで来い。お前の不安は、俺が取り除いて
 いくから。」

「この年になって、ただ好きだけでは飛び込んで
 いけません。また傷つきたくない。家族や
 友達にまた迷惑をかけたくないし・・・・。」

「家族や友達は、ひなたが幸せになることを
 一番望んでいるはずだ。それに傷つきたくないのも
 わかるが、それはお互いがきちんと向き合いながら
 付き合っていけば、無駄に傷つくことはないはずだ。
 ひなたは、前の結婚の時、相手を理解する前に
 結婚しただろ。
 人によっては、付き合った時間は関係ない人も
 いるが、ひなたは性格的には無理だ。
 ひなた、俺と向き合え。」

「・・・・・。たぶん隆さんの言うとおりだと思います。
 離婚した原因は、私が、きちんと相手を見てなかった。
 否、自分の都合に合わせて相手を解釈していたんだと
 思います。考えてみたら、短い付き合いの中でも
 見逃してはならないサインはありました。ただその時は
 目をつぶって、見ないようにしてたのが結婚したら
 それが大きくなって、どうにもできなくなったんです。」

「じゃー、その経験を生かして、俺と付き合え」

「本当に、私でいいんですか?」

「あー、ひなた、お前が欲しいんだ」
 
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