3度目の結婚
「「「「 お疲れ様」」」」

「あー美味しい、やはり仕事後のビールは
 美味しいわね。」

「綾さん、もう勤務してるの?」と幸恵さんがきいた。

「はい、月曜日から行ってます。フフフッ、ひなたさん
 心配?顔にでているわよ!安心して、病院内は、科も違うし
 救急は別の棟にあるから、そうそう合わないのよ」

「えっ、私、顔に出てますか?」

「ひなたは、素直だから、すぐに顔に出るのよ。
 仕事の時は別としても、プライベートは、子供と
 一緒よ。」

と、真理に突っ込まれてしまった。

「日曜日は、凄いこと言って、ごめんなさいね。
 でも、隆と撚りを戻したいと思ったのは事実よ。
 私、アメリカにいた時、同僚の女性が、子宮がん
 になってしって、彼女、子宮を全摘したのよ。
 その時、彼女の言った言葉が
 『こんなことになるんなら、結婚しなくても子供を産みたかった』
 ってね。その時、あー私もこのままだと、子供が産めなく
 なるんだなー。 って思ったの。
 私は、若い時は、専門が小児科だったから、自分が産まなくても
 患者である子供達と関わるから、いいや!って思っていたの。
 でも実際40を目の前にしたら、せっかく女として生まれて
 来たのに、女性としての喜びを味わなくていいのか?と思い
 始めたのよ。そんな時日本に帰国しないかと、今の病院長から
 声をかけられ、聞いたら隆もまだ独身で頑張っていると
 知って、日本に帰って来ることにしたの」

私は、綾さんの話を聞き、言葉が出なかった。
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