3度目の結婚
次の日、隆さんが、夕方アパートに来た。

昨夜の話をしたら、

「そうだったのか・・・・。確かにあいつは強引な所と
 空気を読まないところがあったが、あの日は、ちょっと
 俺の知ってる綾と違ったから、気になっていたんだ。
 そうか・・・。そんなことがあったんだ・・・・。」

「気になりますか?」

「気にならないと言ったら嘘になる。でもそれは
 自分の人生に関わった事がある人だから、綾には
 幸せになって欲しい。ただそれだけだ!」

「そうですよね。私もきちんと自分の気持ちを伝えた
 ことで、なんかすっきりしました。
 隆さん! 隆さんが、私を飽きるまで、ずっと
 側に居させてくださいね。」

と、素直な気持ちを伝えたら、急に隆さんの顔が
真っ赤になり、キスが落ちてきた。

そして・・・・

「なぁーひなた、付き合って間もないのは十分承知の上で
 言う。俺と一緒に暮らさないか?」

「えっ、一緒にですか?」

「そうだ。俺は、今月で病院は辞める。ひなたも今月で会社を
 退職するだろ。今までも、これからも、お互い休みが合わない。
 そうでなくても時間が取れなかったのに、今度はひなたが
 時間がとりにくくなるだろ。俺は、今のマンションから
 実家の医院に通うようになるが、水・土の午後と日曜・祝日
 の休みに変わる。だが、ひなたは反対に、水曜日とあとは
 別な日に休みを取ることになるだろ。
 なるだけ、二人で過ごして、お互いを知っていきたいんだが?
 どうだろう?」

「確かに、またお休みが合いませんよね!」

そうなのだ、また休みが合わなくなるのだ。
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