3度目の結婚
翌週の日曜日、隆さんは、夜勤明けにも関わらず
引っ越しを進めた。

私は、今まで一度も隆さんのマンションには行ったことが
なかったので、あの引っ越しが決まった翌日、隆さんの
マンションに行った。

3LDKのマンションで、かなり広い。

何でこんなに広いマンションに住んでいるのか不思議だった。

「親父の弟、つまり叔父さんが、不動産屋をしていて、
 このマンションが建った時、『実家にも近いし、万が一結婚
 しても住めるから』って薦めてくれたんだ。
 ただ今までは、本当に寝るだけの部屋だったけどな」

確かに、必要最低限の物しかない。テレビもない。

あるのは、ベットとテーブルのみ。

キッチンに至っては、薬缶のみである。

どうやってこの人は生活していたのか、不思議でならなかった。

だから、私の部屋の荷物は、大方このマンションへ運ぶことになった。

冷蔵庫とレンジと洗濯機・ベットは、リサイクルショップへ持って行って
もらい、あとの荷物は全部、隆さんのマンションへ運んだ。

「明日は、仕事だから今日はもうやめよう。ひなたご飯
 食べに行こう」

夕方、後片付けをしていたら、隆さんが声をかけてきた。

「はい、そうしますか。明日から少しずつ片付けます。」

二人で、隆さんがよく行く定食屋さんへ行き、夕ご飯を食べた。


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