センパイとワタシ

「…なんか可愛いですね」

「はぁっ?!」

「あ、いや…。中学校の頃はセンパイのことあまり知らなくて、こんな顔するなんて知らなかったから」


 なんか今まで知らなかった、本気で拗ねてる顔が新鮮で…

 可愛く思ってしまった。

 でも、こんなこと言われてもセンパイを怒らせるだけだよね。



「…未来ちゃんって相変わらずズルいよね」

「へ?」

「あー…こっち見るな。きっと今みっともない顔してるから」


 …どんな顔なんだろう?

 すごく見てみたい…。

 でも、センパイをこれ以上怒らせるわけにも拗ねらせるわけにもいかないし。

 仕方ない、よね?


「分かりました…」




 しばらくそのままいると駅に着いてしまった。




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