センパイとワタシ
『これでーっ青団の演舞を終わりますっ!ありがとうございましたっ!!』
センパイたちの演舞が終わった瞬間、私はつい拍手しそうになった。
…それくらい感動した。
「あ、れ??」
応援団の人たちが散らばり始めた。
…休憩に入ったのかな?
「あっ!」
センパイは運よく私がいる近くの冷水器の方に一人で歩いてきていた。
…もしかして、今がチャンス?
私は弁当をまっすぐにしたまま、センパイに駆け寄った。
「センパイッ!!」
「ん?未来ちゃん?」
「お弁当…渡しそびれてて」
「ああっ!!ありがと~」
センパイが急に笑顔になったのを見て、顔が熱くなる。
きっとこれは太陽のせいでもこの暑さのせいでもなくて…。