センパイとワタシ
「宗田くんっ!おはよ~っ」
「あっ、おはよ」
いきなり誰かと思えば溝端カレンだった。
「今日も晴れてて気分がいいねえ~っ」
溝端さんは隣のクラスの女子で、オレのことを好きらしい。
オレのことを好きな女子のことを迷惑なんて思ったことない。
…というか、むしろありがたいと思うんだが。
正直今はいろいろ大変なんだから…話しかけないでほしい。
ついでに今、そんなに甘ったるい口調で話されると無意識にイライラが募っていく。
「本当だね~」
適当な相槌。
オレと一緒にいる周りの友達は分かるだろう。
ふぅ…と心の中でさっきとは違う重いため息をした。
“誰か助けてくれ”
そう心の中で叫ぶ。
「純、おはよ」
「!」