センパイとワタシ

「ほんっと疲れた！」

『…みたいですね、声から分かります』


　でも未来ちゃんの声聞いたら…

　なんでだろ？

　体中の力が抜けて、それが今のオレにとっては気持ちがよかった。


『ところでいきなり電話なんて…どうかしました？』

「いや、メール入ってなかったから…なんかあったのかな？って」

『ふふふっ…センパイ過保護すぎますよ～』


　え…。

　オレ、結構真面目に言ってるんだけど。


「過保護ってなんだよ～！じゃあ何でメールしてくれなかったのさ！」

『…だってメールして、メール通知のランプ光ったら気が散るかな、と思ったんです。終わる時間とかもわからないから、いつメールしていいか分からなくて』


　…そこまでオレのこと考えててくれたんだ。

　確かにそんなことを考えていた未来ちゃん側からしたらオレは過保護にしか思えないかもしれない。


　でもっ！！

　心配してた俺の身にもなれっつーの！

　ずっと気が気じゃなかったんだから。

　
　…そう思って、一言言ってやろうとした、のに。