センパイとワタシ

『センパイに迷惑かけたくなかったんです』


 …また、そんなこと言って。

 まったく、未来ちゃんは天然なんだろうか。

 急にそんなこと言われるオレの身にもなれよ。

 反応に…困るだろ。


「未来ちゃん、ずるいわ」

『え?何でですか?!』

「言うことが…めっちゃ可愛い」


 …未来ちゃんが黙った。

 きっとケータイの向こう側で照れてるんだ。

 やられたことは、やり返さなきゃな~!


「ま~た照れて!初々しいなぁ~」

『またからかいましたね~っ?!』

「ん?何のこと?…そうだった!もうオレ風呂入らなきゃいけないんだ!」

『言い逃げですかっ!?…あっ、センパイ!』


 ん?

 なんだろ、何かあったのかな?


『明日、何時の電車で行きますか?』

「オレ?始発だよ」

『分かりました。明日も頑張ってくださいね。…おやすみなさい』

「サンキューな。おやすみ」



 ・・・ツーツーツー・・・

< 83 / 114 >

この作品をシェア

pagetop