センパイとワタシ


  ズシャァァーッ


 
「やっちゃった…」


 石に躓いてこけるなんて、なんてダサいんだろう。

 怪我するのは免れたものの、今日貰った教科書や参考書、プリントがバックから飛び出してしまった。


「…もうイヤだ…っ!」



 早く集めないと、プリントが風で飛ばされちゃう…

 電車にも間に合わなくなっちゃう…
 


 そう思っても…

 体が動かない。



 誰も知らない

 どこに何があるかも分からない

 誰にも気づいてもらえない



 …誰にも助けてもらえない… 





 早く、集めなくちゃ…っ




 そう思うのに

 どうしても体に力が入らない… 

「……っ…」


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