センパイとワタシ

「…やっぱり迷惑でしたか?」

「え?!そんなことないよ!…ただ急に何でこんな事してくれるのかなって」

「だってセンパイ昨日キツそうだったから…」


 昨日…って電話したとき?

 確かに疲れてたけど…

 ここまで心配されるほど、ひどい声出してたのかな?


「夜遅かったのにお風呂も入ってないって言ってたじゃないですか。きっと時間足りてないんだろうなって」

「あ…うん」


 言われてみると納得する。

 昨日夜遅く電話掛けて、しかも風呂に入ってないとか…

 時間が足りてませんって言ってるようなもんか。


「だから朝食食べてる時間もないだろうなって思って…それで」

「なるほどね、ありがとう」

 

 これだけオレのこと考えてくれてたんだ。

 …めっちゃ嬉しいんだけど。

 
 下心のない心の底からの優しさに触れたのは…いつ振りだろう?



「あっ!!」

「ん?何?どうかした?」





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