センパイとワタシ
「…センパイって、優しいだけじゃなくてとっても強いんですね」
「おう!」
「私も、センパイ見習わなくちゃ」
え?
どういうこと…?
「私も、親いないんです」
「!!」
「今までおばさん家でお世話になってたけれど、一人暮らしするようにしたんです。…相変わらず仕送りをしてもらってるけれど」
未来ちゃんも…。
全然気付かなかった。
「私のせいで、従兄弟たちの勉強部屋が足りなくて困ってるのを聞いてしまって。…だから一人暮らしをするようになったんです」
「そう、だったんだ」
きっと、辛かっただろうに。
みんなと一緒にいたかっただろう。
それでも、従兄弟たちのことを思って…。
未来ちゃんらしい、な。
「そんな顔しないでくださいよ!…ところで提案があるんですけど」
「え?何?」