あそこの姫は逃走中
私も含め、その場にいたものたちが息を飲んだ。


「ほら、来いよ。まとめて子供たちの仇とってやっから」


魔死は余裕の顔で腕を広げた。


「か…かかれー!!!殺すなよ!!!公開処刑にしてやるー!!!」

「魔死……!!!」


ビュウウゥゥウウウ




「さぁ、行こうぜ。これで俺も共犯者だ」


魔死は優しい目をしていたが、どこか遠く悲しい瞳をしてた。


「そうだね。フフ…これから楽しみ…だね!!」

「あぁ」

「ちゃんといいところにうめてあげようね!!」

「あぁ」


再び、魔法陣のところにたった。


しかし、少し不安なところがあった。


もし、この光に入って魔死と離れ離れになったら……。


すると、私の不安を見抜いたように魔死は手を握ってきた。


「ごめんな、血だらけな手で」

「ううん、嬉しい」




「行こう」





ここの光景は忘れよう。


その光景は


ほとんどの従者が首が跳ねており血の海になっていた。



こんな光景、一秒でも忘れたかった。



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