あそこの姫は逃走中


「……………」

「なんだ、どうした?そんかなおしてっとブスになるぞ」

「なっ!!ブスって、姫になんとことを!!この馬鹿者!!」


もぅ!!こっちはしんっけんに考えてたのに!!


「………ねぇ、もし私が妖力がなくなったら魔死はどうする?」

「ん?見捨てるにきまってっだろ」

「!!!?」

「うーそ、馬鹿者っていったお返し」


もう!本気でビックリしたでしょ!!でも、本当はどう思ってるんだろぅ…


もし見捨てられたりしたら……。


「なんだよ?どうした?」

「私…この世界にきてから「狐火」使えなくなっちゃったかも…」


「狐火」とは狐の妖怪の基本的な技で私の得意技だった。


しかし、魔女を倒そうとしたとき手に妖力を込めても全く手応えがなく、妖力が手に流れ込んでこなかった。


今だって、手に妖力を込めても全く「火」そのものがでてこない。


私…人間界にあってなかったのかな?それとも本にかいてあったのにとばして読んでなかったのかな?


「本気でそう思ってんのか?」

「…?…うん」

「じゃあなんで魔女を見つける時、お前見つけられたの?」

「!!」


確かに!!あれは狐の妖怪じゃないとできない技であり能力だ!


その瞬間、目が輝いた。


「え!じゃあなんでできなかったのだろう?」

「テンション高……妖力でもきれたんじゃない?」

「…?妖力ってきれるの?」

「そりゃあ、奴隷のやつらはしょっちゅうだな。」

「そうなんだ……そうなんだ!!!」

「しっ!!来る…!」


いやぁ!でもよかった!もう!

あ…でも今日だけ無力じゃん、私…
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