あそこの姫は逃走中
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「うわぁ………!!」
近くにあった木に登り人間界の町を見渡すと建物がたくさんあった。
なにこれ!!みたことない!!やばい!!ドレスかいたいっ!!
「猿……」
魔死はボソッと下から呟いた。少し…いや、かなぁ〜りムカッときたけど無視することにした。
でもすごいなぁ…!!建物の中にいっぱい人がいるよ!!
あれって「人間」っていう生き物なんでしょ?
見た目は人型妖怪とあまり変わんないんだ〜!
あ、私も魔死も人型妖怪だからねっ!!
しかし、少し気になる点があった。
「ドレス着てる人がいない…」
むしろ妖怪の世界と全く違ったドレスや着物をきていた。
「人間界にも人間界のオシャレなのかな?」
ってことは、ちょっとまって。冷静に考えてこの格好じゃ目立つんじゃない?
私のドレスは血がこびりついてやぶれていてとてもじゃないけど綺麗とは全くいえない。
魔死も血がこびりついていて、体もいろいろボロボロだ。
逆に目立つと妖怪の世界からきた追っ手がくるだけだ。それだけは避けたい。
とりあえず、どうする…。
「おーい、どうしたー?」
「あ、うん。ちょっとまってー、降りるー」
とりあえず、降りて、言って魔死の意見も聞いたほうがいいだろう。