記憶の欠片



この時は、ホンマに幸せやった。

これ以上ないってくらいに。


『あいつ』と一緒におれて

俺の世界も『あいつ』の世界も

お互いでいっぱいで……

こうして出掛けるってだけで幸せやった。


俺よりサイズの小さい手。

白い肌。

力を込めたら簡単に折れてしまいそうな

細い身体。


全部全部、守ってやらんとって思ってた。


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