世界が終わる時の景色
憂い、迷い、戸惑い
「好青年だったな、お前はどう思う?」
「…そうですね、同じ印象です」
「さすが藤堂のご子息だな!
結婚しても幸せにしてくれるだろう」
「はい」
"会食"という名目の顔合わせを終え、
屋敷で夕食をとりながら昼間の事を話す。
「ああ、そうだ日向」
「はい、旦那様」
「おまえ、真城の令嬢と一緒に居たか?」
どきんと、心臓が跳ねた。
「…ええ。どうしてそれを?」
「いや、手洗いに行く途中で見かけたんだ。
仲がいいのか?」
「…ええ、まぁ…」
返事を濁した、その時。