世界が終わる時の景色
一部始終を見ていた、という事だろう。
すべては見ていなくても、察しのいい彼女ならきっと気づく。
淡々と述べる彼女を見つめても、
背中を向けられているから、表情は見えない。
ふわりと吹いた風が、
志乃の長い髪とランジェリードレスを揺らした。
「…そっ、か」
「付き合うんでしょう?」
「…うん」
「あの子、いい子よ。だから、大切にしてあげなきゃね」
「…わかってるよ」
―「好きになってみせるから」
そう告げた時の、彼女の照れたような、嬉しそうな、
かわいらしい笑顔。
あの子を裏切るなんて、出来ない。