世界が終わる時の景色



荒げた声と共に、何かを思い切り倒したような音。


「…っどうして…」


倒れたのは、日向の身体。

馬乗りになる志乃は、泣いていた。


「…どうして、あの子なのっ…

どうして!どうしてよっ…」


肩を震わせて、日向の胸板を弱々しく殴る。


「…私より、最低な女だったらよかったのに…

何も思わず、邪魔者を排除するためだって、

それだけを考えられるような人だったら…」

「…ごめん、志乃」

「謝らないでよぉお…っ」



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