世界が終わる時の景色



弾かれたように目を見開いて、
再び激しく泣き始めた志乃。

そんな志乃の身体を無理矢理引き剥がし、
背中を向けて、そのまま部屋を出た。


「…ごめん」


という呟きももう、志乃には届かない。



―…愛してる。


そんな、心の声も。



―・・・



「日向くんっ!おはよ!」

「おはよ、莉麻」


ふたりが付き合い始めたという噂は、
広い学園内にも関わらずすぐに広まった。



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