世界が終わる時の景色



一年生の女子の中で莉麻は人気だし、
日向は学園の王子的存在だ。

だから、というのもあるのだろう。

ふたりが並ぶと注目が集まる。

自然と手を繋ぎ、校内を歩いているけれど。

…この仕草は、志乃をエスコートする際の癖だ。

思わず手を握ってしまい一瞬焦ったけれど、
顔を赤らめながらも大人しい莉麻に甘えてそのままにした。


「ねぇ、お昼は…やっぱり先輩と食べるの?」

「…いや、家以外では関わらなくなったから」

「そうなんだ!じゃあ…一緒に食べてくれる?」

「うん、いいよ」

「良かった!」

「じゃあ、昼休み。迎えに来るから」

「うん!」


教室まで送る…と言っても、隣のクラスだけれど。

友達の輪の中に入って行った彼女を見届け、
自分のクラスに入った。



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