世界が終わる時の景色



「莉麻」

「あっ、日向くん!」


昼休み、隣のクラスに彼女を迎えに行く。

友達と談笑していたようだけれど、
日向を見た瞬間に嬉しそうに駆け寄ってきた。


「友達と食べたいなら行っていいよ」

「ううん、私が日向くんと食べたいの。

日向くんっていつも学食?」

「そうだよ、莉麻は弁当?」

「今日は学食!行こうっ」


日向の腕に、するりと莉麻の腕が巻きつけられる。

「…!」

いや、違う。

「日向くん?」

「…いや、なんでもないよ。行こう」



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