世界が終わる時の景色
彼女の腕じゃ、ない。
彼女の腕は、もう少し細い。
自然と、それが当たり前かのように、絡ませられる。
「…だめだな…」
嬉しそうにはにかみながら歩く莉麻には聞こえない呟き。
―・・・
「明日、ニューヨークに発つ」
仕事が終わってから、父が部屋に来て開口一番言い放った。
「そう。志乃お嬢様と御婚約者様の顔合わせは終わったし、
もう日本に用は無いって事か。次はいつ頃帰ってくるの?」
「しばらくは帰らないだろうな。
だから、聞いておきたかったんだ」