世界が終わる時の景色



「かわいそうだと思わないのか?」

「約束したんだ」


ベッドに凭れて、天井を仰ぎ見る。


「好きになってみせるから、って、約束したんだ。

…それだけで嬉しそうに笑うの。そんな莉麻を僕は、裏切れない」

「……」

「大丈夫。好きになれる。そう思ってるよ」


微笑んでみせれば、苦しそうに顔を歪められた。


「今はまだ…そうだな、

付き合いが長い分想いも深いっていうか…

だから、志乃への気持ちも残ってるよ。当たり前。

でも、僕がこれから一緒にいるって決めたのは、莉麻だから」



< 120 / 207 >

この作品をシェア

pagetop