世界が終わる時の景色



仕方ないと連れてきたのは、資料室。

他の女を抱くときに使っていた場所のひとつだ。

旧図書館には、連れて行けなかった。

ただでさえサボり癖があり体調を崩している、
保健室を嫌う志乃が、そこで寝ている可能性もあったから。

閲覧用の少し高めのテーブルに、
莉麻の華奢な身体を倒した。


「…初めて?」


小さな身体の震えに気づき、声をかける。


「…うん。でも、躊躇しないで」

「でも、初めてがこんな場所って、女の子は…」

「いいの」


言葉を遮り、自らネクタイを解く莉麻。


「日向くんだから、いいの」



< 137 / 207 >

この作品をシェア

pagetop