世界が終わる時の景色
「こんにちは、真城さん。もしかして貴女もサボり?」
悪戯げにくすりと笑む彼女。
何気ない仕草にも色気が漂い、それが妬ましい。
「貴女"も"って…先輩はサボってたんですか?」
「えぇ。だって眠いんだもの」
ふぁ、と上品に小さな欠伸をした彼女は、
どこかで寝てきたという事だろうか。
「…留年しちゃいますよ?」
「平気よ。単位は計算してるから」
得意げに微笑む彼女に、何故か脱力感を覚えた。
日向はいつも、こんな気持ちなのだろうかと想像して。
「でも6限目は出ないと、ホームルームに遅れるから」
「ですよね、行きましょうか」
「えぇ。…あ、そうだわ」