世界が終わる時の景色



「?」

「服。乱れてるわ。それに、まだ顔が火照ってる」

「?!」

「顔を洗うとメイクが落ちちゃうから、

少しゆっくり歩いて行ったら?御機嫌よう」


遺していった笑みは、厭味ったらしくて。


「…全部、気づいてたんだ」


ここで自分"達"が、何をしていたか。

ヒールローファーを鳴らし颯爽と歩いて行く彼女。

その細い背中に小さく呟いた。


「…私、負けませんから!!

絶対、別れませんから…!!」


聞こえたのだろうか、彼女は一瞬立ち止まり。

そして再び、歩き出した。



―End



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