世界が終わる時の景色



「篠山くん…?!」

「志乃は?!志乃は無事なんですか?!」

「ちょっと、落ちつきなさい!」


美人だと評判の保険医、
白石(しらいし)先生が日向を宥める。


「さっきの体育の授業が、外での授業だったらしくてね。

この季節にしては珍しく暑いから、

熱中症にでもなったんだと…」

「志乃はしばらく、まともな食事をしてないんです」

「え…」

「きっと、ちゃんと寝てもいない」


志乃が眠るベッドを見つめて、唇を噛んだ。


「…僕のせいだ…!」



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