世界が終わる時の景色
「良かったぁ…」
ふわりと柔らかい彼女の笑顔を、
久しぶりに見た気がした。
「…さーて、私は少し出てくるわね」
「…白石先生」
「ん?何かしら?」
「ありがとうございました」
「…いいえ~、ついでに篠山くんの荷物持ってきてあげるわ」
「はい、お願いします。
机の横に掛けてあるバッグに全部入ってるんで」
「はいはーい」
保健室を出た白石のヒールの音が遠ざかる。
志乃はまだ、目を覚ます気配が無い。
「…ねぇ、日向くん」