世界が終わる時の景色



そのメイドの言葉に気をよくしたのか、
志乃は顔を歪ませながらもすべてを完食した。


「お昼寝して、それから勉強するわ」

「では、14時に起こしに参ります。

ゆっくりお休みなさいませ」


志乃は微笑みを残して、大広間を出て行った。


「篠山さん!志乃お嬢様と仲直りしたんですね」

「はは、まぁね…使用人のみんなにも、

無意識に迷惑かけちゃってたみたいで。ごめんね」

「いえ!篠山さんが傍にいると、

お嬢様の情緒も安定するようですし」



―「私の世界にも、日向以外はいらないわ」



あの日、耳元で囁いた日向の「ごめん」という言葉の後、
志乃が告げた言葉。



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